そういえば私、虎のスーツ以外の服装見たことない。

べつに……どうでもいいんだけど。

「よーし着いた」

「送ってくれてありがと」

わざわざ車から降りて私の方に回ってドアを開けてくれる虎。

こういうところ、女をたくさん落としてきたんだろうなって目に見えてわかる。

「自分で開けれるのに」

「男は女を大切にがモットーだから」

「叶恋ちゃん?」

名前を呼ばれて虎から視線を逸らすと、制服を着た伊達くんがいた。

「あ、伊達くんもいま来たの?」

「うん、そうだけど……その男、前にも店に来てたよな?やっぱり知り合い?」

虎は誰がどう見てもヤクザ。

しかも車も他と違うし……。

「そうなの、実は知り……」