その手は震えてて。

こんな公衆の面前で告白できるなんて。

よっぽど自信があるのかな。

「ごめんなさい、誰とも付き合う気ないので」

「っでも……」

「叶恋ちゃんー」

ギュッと後ろから抱きしめられた。

え……。

「キャー!だ、誰あのイケメン!」

「スーツかっこいい!」

「はうっ……」

虎って、やっぱり女子に人気な顔なんだ。

「どもー。俺の叶恋になんか用?」

「え、花園さん彼氏いたの!?」

え、いやいませんけど。

否定しようとした時、虎が耳元に唇を寄せた。

「今ここで俺と付き合ってるって言わないとこれからも絡まれてばっかだろ」