❆叶恋side❆

「はぁ……」

昨日は最悪だった。

今でもまだイライラするし。

でもこのあとバイトだから、気分変えなきゃ。

私のバイトは居酒屋の店員。

時給はいいし、叔母さんが家賃とか出してくれてる分他は自分で補ってる。

それに、早く自立しなきゃだし。

なんて思いながら夜の街を歩いてれば、

「あっ、昨日の女の子じゃん!」

なんて聞き覚えのありすぎる声が聞こえた。

無視、無視するんだ私。

「なぁーなんで無視すんの?あ、俺のこと意識してくれてるとか?」

「んなわけあるか!」

って……無視しようとしてたのに。

なんでこの男、こんなニコニコしてんのよ。