お隣のヤクザに要注意Ⅰ

「身体は俺を欲してるよ」

「っ……私が男を欲しがるわけないじゃん!」

「叶恋は俺を欲しくなるよ」

首元に顔を埋められた。

っ……ありえない。

なんでこんなことしてくるの。

いや……こいつにそんなこと思っちゃダメだ。

だってこいつはたくさんの女と遊んでる。

だから私も、その中のひとりで……。

「ちょっと、いい加減やめてよ」

「無理」

「そもそも付き合ってもないのにキスとかありえないから、私は」

そう言って虎を私から剥がした。

「これから付き合うんだからいいじゃん」

「……は?冗談やめてよ。あんたは遊びのつもりでも私はそういうのしたくないの」

「……いつ遊びっつった?」