「叶恋ちゃんにヤクザが関わることを、どうか許してください」

会ったこともないお母さんとお父さんに、こんなきちんと頭を下げるなんて。

「っ……あんたにプライドはないの?」

「お前のためなら……これでお前が気負わずに済むならプライドなんか捨ててやんよ」

虎……。

「ねぇ虎……私少しだけわかったよ。白銀組もそうかもだけど、虎は私の嫌いなヤクザとは違う」

「えっ……やっとわかってくれた!?」

「私はまだまだ何も知らない。だから……白銀組に入る」

「叶恋ちゃん……」

お母さん、お父さん……。

どうか、この私の選択を許してください。

私……12年前のこときちんとわかりたいんだ。

たとえそれが、私にとって酷なことでも───。