「なーまーえ」

「やだ」

「ふーん……じゃあキスしちゃおっかな」

「何言っ……ん」

……は?

ドサッと地面に落ちた袋。

今もなお重なる唇。

ゆっくりと離れれば、まだ唇に感触が残ってて。

「かなり飲んだ後?酒臭いと男できないよ」

「っ……!な、なんで今キスしたの」

「可愛かったから。……なぁ、俺の女になる?」

何を……言ってんの?

「なるわけないでしょ!離せ!」

「うぁっ」

隙をついて離れて、落ちた袋を拾いもせずに走ってコンビニを後にした。

気持ち悪い……チンピラに、キスされた。