お隣のヤクザに要注意Ⅰ

「うん……」

悔しい……なんでこんな、安心しちゃうんだろ。

ヤクザなんて、大嫌いなのに。

「虎、蝶羽組の組長は倒したのか?」

「組長、ちゃんと殺さないようにしましたよ」

私がいたのは3階だったみたいで、階段を降りるにつれてみんなついてくる。

こんな大勢が、来てたんだ。

「叶恋ちゃん〜っ……!大丈夫!?」

「無事だったみたいだな」

最後に葉山さんとシュウさんが合流して、建物を出た私たち。

「……ねぇ」

「んー」

「………ありがとう、虎」

そう言えば、ピタッと立ち止まった虎。

「……っえ、い、今っ、俺の名前呼んだ!?」

「うるさ……名前くらい、呼ぶし」