縛り付けられてた身体は自由になった。

っ……なんで。

「なんで……っ来ると、思ってなかった……っ」

「俺はお前の嫌うヤクザじゃねぇーの。わかって」

ぽんっと頭に手を置かれた。

ヤクザなんて、みんな一緒。

なのに……。

「つか、頭打ってんじゃん!早く帰るぞ!!」

「え」

私に背中を向けてきた。

……まさか。

「おんぶしようとしてくれてる、の?」

「はぁ?それしかないじゃん。ほら」

正直意識があっても頭はズキズキするし、おとなしくおんぶしてもらおう。

ゆっくり背中に乗れば、立ち上がって。

大きい背中。

「しんどかったら肩にでも頭乗せとけよ叶恋」