❆虎side❆

「はぁ……あいつ、猫すぎんだろ叶恋ちゃん……」

「思ってるよりもヤクザが嫌いみたいだな」

「組長、気楽に言ってる場合じゃないっすよ」

「そうだぜ組長」

自分の手のひらを見つめた。

あんな軽い身体で……淡々と男を殺すなんて。

なんで殺し屋なんてしてるんだろ。

それに……deathの存在を知ってなかった。

もしかしたら叶恋ちゃんは、12年前のことも自分の置かれてる状況もよく知らないのかも。

だとしたら……。

「もっと俺に落ちてくれればいいのに」

「虎、お前そんな感じだったっけ?」

「こんな感じになったんだよ」

「へーえ……叶恋ちゃんにそんな力があんのか」

まぁ、今は逃げまくっててもいずれ俺から離れられなくなるし。