お隣のヤクザに要注意Ⅰ

「おい!危ないぞやめろ!」

「叶恋!やめろ!」

私は窓から思いっきり飛び出た。

──シュタッ。

なんとか綺麗に着地して、急いで門へと向かう。

やだ……ずっと、ヤクザの下で生きてきたなんて。

そんなの認めたくない。

お母さんとお父さんを裏切ることになる。

あのままあそこにいたら……絆されるみたいだった。

嫌だ、なにもかも。

嫌なんだっ……。

門を抜けて無我夢中で街に出た。

「はぁっ……はぁっ……」

ここまで来れば、もう大丈夫……。

「ねぇお嬢ちゃん、花園叶恋って君だよね」

「え?」