お隣のヤクザに要注意Ⅰ

「っそんなの信じるわけないじゃない」

「本当だ。なら、白銀組にいて気が済むまで調べればいい」

なんで、そんな余裕なの……ムカつく。

ヤクザはいつだってそう。

自分の欲のためにしか生きてないんだもん。

「私のお母さんとお父さんだって……っ、必死に何度も何度もお願いしたよっ……!」

そっと銃を手に取った。

「お、おい叶恋ちゃん!」

「よせ。組長はお前に殺せないぞ」

銃を組長に向けても、何も動じない。

むしろ、私の手が震えるばかりで。

「どうした?震えてるぞ」

「うるさいっ……ヤクザもチンピラも不良も、ヤンキーだって私からしたらみんな一緒!この世で最も嫌いなの……」

そんな私に、ヤクザの仲間になれって……?

「叶恋ちゃん」