絶対誰にも言いたくない。

血が苦手だなんて……バカにされる。

「っ……」

ずっと黙ったままでいると、組長がため息をついた。

「捨て猫みたいだな」

「なっ……私はそんなんじゃ」

「なんでそんな若さで、殺し屋なんかしてるんだ」

「そんなの……あんたらヤクザに関係ないでしょ!」

私から、すべて奪ったヤクザに。

なんで話さなきゃなんないのよ……っ。

──プルルルルッ♪

ポケットにいれてたスマホが鳴って、耳にあてた。

「もしもし、静流さん?」

『あぁ、叶恋。倒れたって聞いたけど大丈夫か?』

「大げさですよ。仕事は終わったしすぐそちらに向かいます」