❆叶恋side❆

なんだろ……温もりに包まれてる。

この手は、お母さん……?

そっと目を開ければ、私を心配そうに見つめる嫌いな奴と目が合って。

「はぁ……あんたか」

「ひでぇ……俺、これでもすげぇ心配してんのに」

さっきの部屋とは違う。

ソファに寝かせられてたみたいで、起き上がれば組長も葉山さんもスーツを着こなした男もいて。

血の匂い、しない……。

「花園叶恋、だったな」

「え、はい……」

ソファに座る私の目の前にしゃがんだ組長。

なに……なんか、嫌な予感する。

「どうして倒れたりしたんだ?」

「っそれは……」