「え、それどこで聞いて……」

「あんたのこと知ってる人に聞いただけだし!私が興味あるみたいに言わないで」

「なっ、そんなこと言ってないだろ」

また手を握ってきたこいつ。

もう、なんなのよ!

「「「……お前ら仲良しか」」」

「仲良し?私がヤクザのこいつと?」

「なんでー?嬉しいだろ?」

「まったく。てか仕事中なんだから離せ」

「無理。殺し終わったじゃん」

やば……そろそろ限界かも。

血の色と血の匂いに、だんだん意識が朦朧としてくる。

「叶恋ちゃん……?おい、叶恋!」

「っ叶恋ちゃん!?」

「おい、医者を呼べ!」

周りが騒がしい中、私は不本意ながらもこの男に寄りかかった。

遠くなる意識の中で、あの時の光景を思い出す。


あの時も……血だらけで眠る人を見つめながら目を閉じたな。