「私バイトあるから、早く出てってくれる?」

「えーこんな朝から?今日土曜だよ?」

「いいから!」

文句を言いながら起き上がったこいつ。

なんとか家から追い出して、リビングを見れば大量のお酒たちがあった。

私、こんなに飲んだっけ……。

お酒を飲んだ次の日は大抵記憶が無い。

いいんだそれで。

記憶が無くなるくらい溺れて。

そのまま落ちるとこまで落ちればいい。

支度をして家を出る。

今日晴れか……晴れは苦手だな。

そんなことを思いながら街に出て、人が少ない路地裏に入った。

ここの路地裏を抜けたとこに非常階段がついてて、階段を上がって陽もあたらないドアを開けた。

「来たか。叶恋」

「すみません、遅くなりました」