「自分が1番好きな人が憎んでた存在だったんだよ。受け止めれなくて当然じゃん」

「だけどっ……お母さんとお父さんのこと、否定したくない……っ」

ぼろっと涙が零れた。

優しかったお母さんお父さん。

あんなに優しいふたりが、ヤクザだなんて。

「羅虎ももし死んじゃったら……」

「カノ……あいつが死んでも別の男現れるよっ」

ユイ……。

ちょっとした冗談に少し元気が出た。

「私、心配なんだよカノのこと。だから、いつまでもカノのことを苦しめる神楽組を私は許さない」

力強い瞳で、私の手を握ったユイ。

ユイは昔から頼れる存在だった。

何回も何回も助けられた。

「カノが苦しみから解放されるためなら、なんだってするつもり。ずっと一緒に生きてきたから」

「ユイ……っ」