「つまり逃したということだな」

「最悪の場合、神楽組の傘下ならそこに逃げ込んでるって可能性も高いよね……」

葉山さんたちの会話に、息を呑んだ。

そしたら、尚更羅虎と葉山さんは行かない方がいいんじゃ……。

「あ、組長」

「なんだ虎」

「白銀に入ってきた下っ端を潜入させるってのはどうですか」

羅虎……?

「何言ってんだ虎!まだ教育中だ。日が浅いぶん他に行くかもしれねぇんだぞ」

「シュウさん……でも、俺が行けないならそれしか方法は無いっすよ」

私が直接行ければ、どれだけいいことか。

結局私、何も出来ないの……?

「……カノ、今何考えてる?」

ひそっと私に耳打ちしてきたユイ。