あの頃……とても思い出したくない日々だけど。

毎日泣いて、泣きまくって涙も出なくて、絶望していたあの日々。

あの頃の私はもういない。

今の私には、白銀組がいる。

ユイがいる。

……羅虎がいるから。

「カノ……。ねぇ組長、なんとかして煌星と虎が潜入せずに済む方法はないの?」

「残念だが相手が相手……いや、待てよ」

何かを考え出した組長。

「虎、お前蝶羽組を潰した時顔バレしてるよな」

「あ……っ忘れてた」

あれ、そういえば……。

「あの時の組長って、どうなったの?」

そう聞けば、シュウさんが思い出したように口を開いた。

「あいつは社会的に消した。だが蝶羽組の潰した下っ端を数えてみたんだが人数が合わないんだ」