ユイも、葉山さんも同じこと思ってる……。

葉山さんは羅虎のことを守るために。

ユイは私のことを守るために。

「ユイ、私……正直まだぐちゃぐちゃだよ。ずっと憎んでたヤクザだったはずなのに、お母さんとお父さんどっちもヤクザだったなんてどう受け止めればいいのかわからない」

「カノ……」

「叶恋……」

でも、ふたりが神蘭組だったことは事実で。

ぎゅっとユイの手を握った。

「でも、あの時生きて残された私にどうこう言う権利なんてあるのかなとか思うの。……だけど、まだ何も終わってない」

神蘭組を潰すなら、あの時私のことも殺してよかったはず。

なのにどうして私は生かされたんだろ……。

「羅虎のお父さんの行方も気になるし、もう何も分からないままなのは嫌なの。それに……あの頃の私じゃないからもう、大丈夫」

「っ……」