「嫌に決まってる。……でも、それしか方法がないのなら、」

「意味わかんないっ……!!なんで、なんで平気な顔してられんのよあんたっ……」

私の肩を掴んで、涙を流したユイ。

っ……平気なわけない。

「っおい、ユイ」

「黙ってよ!カノのこと大事じゃないの!?大事だと思うなら離れないであげてよっ……」

ユイ……。

「ちょっとユイ、落ち着いて」

「葉山。止めるな」

「シュウさん……」

「ずっと……ずっと両親を殺したヤクザを恨んで生きてきたのに、両親が恨んでたヤクザだったなんてありえなさすぎるよ……っ」

ユイは、私の今までを知ってる。

全部。全部……。

「やっと……カノが恋して前向いてきてるのに。またカノは傷つかなきゃいけないの?」