❆叶恋side❆

家に帰ってきた。

「ただいま、お母さんお父さん」

仏壇の前に座って、ふたりの写真を見る。

私……なんでこんなにも何も出来ないんだろ。

あの日も、今日も。

「っ……ぅ、なんで、……ひっく」

止まったはずの涙がまた溢れ出す。

羅虎が、死んだらどうしよう。

また、私の大切な人が消えてしまったら。

「うっ……っやだ、そんなの……やだよぉ」

混乱しすぎて頭が痛い。

視界だってクラクラする。

それでも、現実から目を背けたくなくて。

──ガチャッ。

玄関が開く音がして振り向けば、合鍵を使って入ってきた羅虎がいて。