「はぁ……まったく。勝手に話進めやがってお前ら命を軽く見んなよ?でも、条件がある」

条件……。

チラッと叶恋ちゃんのことを見た組長。

「これ以上、犠牲者を増やすわけにはいかねぇんだ。花園と虎、ふたりをこれ以上傷つける神楽組を俺は許さない。だから……何かあったらすぐに報告しろ。逐一だ」

「もちろんですよ」

「俺はもうスパイしに行けねぇからな。その代わり叶恋、お前は俺らの所にいるんだぞ」

「……」

こくん、と頷いた叶恋ちゃん。

涙を拭うとぎゅっと虎に抱きついた。

俺らの前で抱きつくとかありえない子だけど、やっぱり不安だよな。

「叶恋、潜入してる間は家に帰れねぇし連絡もあんまり出来ないかもしれない」

「……どのくらい?」

「わからねぇけど……でも、死んだりしねぇよ絶対」