「ノーセットの羅虎は私だけ知ってればいーの」

「ふーん?可愛いねお前」

髪の毛をセットしてネクタイを締めてあげた。

「っしゃ!気合い入った」

「じゃー行こ」

「ん!ありがと叶恋」

羅虎はご機嫌に車の鍵を持って私の鞄を持った。

もう、自分で持つのに。

家を出て羅虎の車に乗って、組に向かう。

「いいか?ちゃんとみんなの前では虎って呼べよ」

「うん。でもなんでみんなに秘密なの?」

「んー……なんとなく」

虎、かぁ。

でもなー。

「私、羅虎の名前は羅虎がいい」

「語彙力どこ行った?」

うっ……。

間違ってみんなの前で羅虎って呼ばないように気をつけないと。