「はぁ?あんた邪魔なのよ。もう1発殴られたくなかったらおとなしく出てってよ」

あぁ……もう俺の知ってる母さんじゃないんだ。

痛む頬に耐えながらゆっくり立ち上がって部屋を後にした。

信じられなかった。

このこと、父さんは知ってんのかな。

家を出ると、ちょうど帰ってきた父さんと鉢合わせた。

父さんは俺の顔を見るなりびっくりして。

「羅虎!どうしたんだ!?」

「っ……父さん、俺……っ」

父さんを見た瞬間、涙が止まらなかった。

「俺っ……どうでもいいの?」

「は……?なにを言ってんだ!どうでもいいわけないだろ!」

「母さん、がっ……母さんがっ」

上手く言葉に出来なくて、父さんにちゃんと伝えたいのに声が出なくて。