❆羅虎side❆

「羅虎……っ」

キスの合間に呼ばれた名前。

ほんと……愛おしくてたまらない。

叶恋の瞳に俺しか映ってない。

当たり前のことなのに、それすらも嬉しい。

まさかあの大量のファイルの中から俺の親父のファイルに巡り会うとは思わなかった。

俺を傷つけたくないという優しさが好きだ。

ただ、たぶん知りたいだろうから……。

「なぁ……今から話すことは俺の過去なんだけどさ」

ぎゅっと抱き締めた。

可愛くて愛おしい。

いずれにせよ、事件のことはもう知ってるし。

この先ずっと一緒にいるんだから話しておこう。

「聞いてくれるか?」

「っ……うん」

強い瞳を見て思わず笑みが零れた。