「羅虎……」

「もう一生呼ばれることはないと思ってた。だからお前からそう呼んでくれんのまじで嬉しい」

っ……。

あのファイルには、事件の詳細しか載ってなかった。

羅虎はどんな気持ちだったんだろ。

羅虎のお父さんはどこに……。

「羅虎は……お父さんに会いたい?」

「………どうなんだろうな」

「ん……っ」

それ以上は喋らせてくれなかった。

私たちは外が暗くなるまでキスを重ねた。

時間を忘れて、思考回路も回らなくて。

繋がれる手も触れる舌も羅虎の甘い吐息も。

すべてが心地よくて、溶けてしまいそうだった。