羅虎はきっと、家族が好きだ。

好きだからそんな苦しそうな顔をするんだ。

「なぁ……もっと名前呼んで」

いつもとは違う甘い声。

この声の時、羅虎は大体スイッチが入ってる。

「羅虎」

「もっと」

あーもう……。

「好き、羅虎が好き」

「はぁ……俺も好きだよ叶恋」

「ぎゃ!」

抱き上げられて、そのままベッドに連れてかれる。

ま、待ってまさか……っ。

「大丈夫、今日はしねぇから」

そっとベッドに寝かせられて、覆い被さってきた。

私に触れる手が優しい。

「名前なんて……いつぶりだろうなぁ呼ばれんの」