虎の家に帰ってきた私たち。

「こっち」

「わっ……」

手を引かれて、ソファに座った虎の上に座らされた。

うっ、近い……。

「で、なにがあったんだよ」

「……」

言っていい事なのかな。

でももう、虎のことを虎なんて呼べないよ。

「……叶恋、なんでそんな躊躇ってる?」

「っだ、って……」

虎を、傷つけちゃうかもしれない。

そんなこと……したくない。

「叶恋」

けど、優しく名前を呼んでくれる虎が好きだから。

私も本当の名前を呼びたい。