「もちろんっすよ」

ぎゅっと優しく手を握ってくれる虎。

もう歩き始めてるシュウさんに聞こえないように私の耳元に唇を寄せた。

「帰ったら逃がさねぇからな」

「っ……」

こんな時でも、虎のことをかっこいいと思ってしまう。

私は虎の優しさに何度も救われてきた。

甘えてきた。

虎は誰にも言わずに背負ってきたのかな。

みんなの部屋に行く間際、ピタッと足を止めたシュウさん。

「シュウさん?」

「虎と叶恋、今荷物持ってくるから今日はもう帰っとけ」

え……?

「な、なんでっ……」

「叶恋、そんな顔してっと他の奴らにバレるぜ」