「……ありがと」

なんか、こいつの思う通りになっててムカつく。

時計を見れば、もう11時。

「よーし、叶恋ちゃんの家に行くかぁ」

「っそれだけはいい!私、ここから帰れるし!」

「え、でもここから叶恋ちゃんの家までどうやって行くかわからないしょ?俺もわかんないんだし」

ど、どう言い訳しよう。

この際だし、どっか適当に嘘ついて知らないお家とかに行ってもらって、そこでバイバイするしかないよね?

うん、そうしよう。

「ちなみにだけど……俺に嘘つこうとどっか別の場所行く気でも無駄だよ?」

「そ、そんなことしないし……」

こいつエスパーかなにかなの!?

「叶恋ちゃんとバイバイしても叶恋ちゃんが家に入るまで離れる気ないし。もし俺を撒こうとしてもストーカーするし」

……もう、諦めるか。