お隣のヤクザに要注意Ⅰ

曖昧なままは嫌だ。

食器を片付けて、ソファに座った。

12年前のことを知るために叶恋は組に入った。

だからといってヤクザになったわけじゃない。

叶恋が殺し屋なのは変わらないけど、でも……高校3年生なのは事実。

叶恋は進路とか全然決めてないけど……これからの叶恋の人生それでいいのか?

組長とシュウさんに頼んで、12年前のことを叶恋に教えて組から抜けさせた方が安全なんじゃ……。

まだ18だからこそ普通の道に戻れたり……。

「……虎?考え事?」

「っ……叶恋」

我に返れば風呂上がりの叶恋が目の前で俺の顔を覗き込んでた。

っ……可愛い。

──グイッ。

「きゃっ」