お隣のヤクザに要注意Ⅰ

「俺とシュウさんが初めて会った時のこと」

あの頃の俺は本当にガキだったなぁ。

生意気で世間知らずで……。

「どうだ?今、死にたいか?」

「いーや……死ぬのはごめんですよ、あいつがいるんで」

すやすやと眠る可愛い叶恋。

こいつという存在がいる限り死ねねぇよ。

「大切にしてやれよ。叶恋のことも……お前自身のこともな」

「……大切にしますよ」

当時の俺にも、叶恋みたく純粋なとこがあれば……今みてぇに腐ってねぇのかな。

いや……今さらなに考えてんだろ。

どんなに過去を思い返したって、最悪なことには変わりねーのに。

「向こうに帰ったらまた気を引き締めねぇとな。他の組たちは今すぐにでも乱闘してぇだろ」

「え?なんでですか?」