こうして、俺と同じ立場でそばにいてくれる叶恋がいる。

「今年は、楽しかった?」

控えめに聞いてきた叶恋。

出発前、念願の叶恋に会えて抱きしめ足りなかった。

髪の毛結んであげたら懐いてくれて。

水着姿は可愛すぎて必死に俺のパーカー着せたけどそれもまた俺の中の何かを抉ってきて。

初めての海を楽しんでる姿も、貝殻ひとつで喜んでる姿も。

……俺のことを知りたいと言ってくれた。

この2日間を思い返してみた俺。

「……叶恋がいてくれたから、楽しめた」

ちゅっと握ってくれる手にキスをした。

「っと、虎……」

「だから、ありがとう」

たぶん今叶恋は俺にドキドキしてくれてるんだろうな……顔赤いし。

でも俺も、負けねぇくらいお前にドキドキしてんの。

「気づかないだろうな」

「……?」