「ったく、まぁでも……惚れたもん負けってやつ」

だって、叶恋にならどんなに振り回されてもいいと思ってしまう。

「虎も変わったなぁ。で、愛しの叶恋ちゃんは?」

「さっきから探してるけどいねぇんだよな。俺花火持って行ってくる」

「おけ〜」

砂浜にはいないから、大体は検討つくけど。

叶恋の好きそうな花火を持って展望台へと向かう。

確証はないけど、たぶんここだと思うから。

展望台に着けば、やっぱり叶恋はいて。

静かに星を見上げてた。

……可愛いんだよなぁほんと。

「叶恋」

「虎」

隣に座って、持ってきたロウソクをつけた。

「みんなと花火は?」

「あー別に去年もやったし。叶恋の好きそうな花火持ってきたからやろ?」