お隣のヤクザに要注意Ⅰ

「なる……っ。虎じゃなきゃ嫌だ、虎がいい」

「っお前……それはずるすぎ」

ぎゅっと抱きしめれば虎の鼓動が聞こえてきた。

っ速い……。

「……ドキドキしてくれてるの?」

「うっせぇな……好きな女に抱きしめられてドキドキしない男なんかいねーよ」

ゆっくり押し倒されて、覆いかぶさった虎。

安心させるような手つき。

「あー……早く帰りてぇ」

「なんで?」

「わかんない?早く俺の家で叶恋とふたりっきりになりてぇーの」

ちゅっと頬にキスされる。

「……もう虎のことしか頭にない」

「まじ?やば、嬉しい」

「ほんとに嬉しそうに笑うね」