私をソファに置いたままキッチンに行った。

はぁ……ほんと昨日から災難だよ。

これからどうしよう。

家が隣とバレれば、毎日絡んでくるに違いない。

てか、隣に住んでるのがヤクザとか嫌だ。

かといって、叔母さんに迷惑かけれないし……。

なんとなくキッチンに立つ姿を見れば、小さい頃のお母さんと重なった。

誰かがキッチンに立って。

包丁で切ったり、料理の音を聞くのはいつぶりだろ。

胸が熱くなって、涙が出そうになった。

「よし!出来たぞ〜」

ふたりぶんのご飯をテーブルに運んできた。

「虎ちゃん特製和食定食〜」

「こんな短時間でお味噌汁まで……」

ソファの前に座って、テーブルに用意されたご飯を見た。

美味しそう……。