なに、これ……っ。

抵抗したいのに、力が抜けて。

こんなキスしたことがなくて戸惑ってしまう。

なんで私、大嫌いなヤクザとキスなんか……っ。

「泣いても離す気ねぇよ」

「んっ、ちょっ……」

部屋中に水音が響く。

嫌なのに……っ。

しばらくすると気が済んだのか、キスを辞めた。

「あー……キスで辞めたの初だわ」

「っはぁ……最っ低……」

肩で息をしてぐったりする私を満足気に見てくるこいつ。

なにこれ、力入んないし……。

「あんだけキスすれば力も抜けて、俺から離れられなくなるに決まってんじゃん」

「っ……この、確信犯」

「さっ、ご飯作ってやるから待ってな」