そんなこんなで展望台に着いて、階段を上がって頂上に行けば綺麗な景色が見えて。

人は誰ひとりいなかった。

「すごい……綺麗」

「天気いいから星も見えるな」

よいしょ、と座って空を見上げた虎。

「虎」

「ん?……叶恋?」

隣に膝をついて、そのまま虎の頬にキスをした。

顔を離せば、目を見開いた虎と目が合った。

「ご褒美……これでいいでしょ」

「っ……あー、やばすぎ」

ぎゅうっときつく抱きしめられる。

私からこういうことするの初めてだから、なんか恥ずかしいけど……。

「なぁ、我慢してんだからまじ心臓に悪いやめて」

「我慢?」

元はといえば虎がちゅーって騒いだんじゃん。