私……虎が好きなんだって。

もう誤魔化せない。

だって、胸が高鳴るんだもん。

「嘘……っカノ、ほんとに?」

「っでもまだ実感湧かないよ……どうしたらいいかわかんないもん」

ヤクザに恋するなんて思ってなかったし。

それに……相手は虎。

「叶恋ちゃん……そうだよな、虎ってどこか掴みどころないって言われるもんなぁ」

「でも……虎のこと知りたいって、虎を信じたいって思ったんだ。もう、過去に囚われるのは嫌だから」

「カノ……まだ元彼のこと」

そこまで言いかけて辞めたユイ。

その瞬間、

──ぎゅっ。

後ろから抱きしめられた。