「虎さん、まだ始まってもいないのに気が早すぎですよ」

ったくもう……。

「私テントで休んでるから虎行ってらっしゃい」

「おう!」

虎は子供みたいに笑ってみんなの元に走ってった。

「……綺麗な貝殻」

荷物が置いてる大きいテントに座って貝殻を眺めた。

日に日に虎は私の好みを把握してる気がする。

私は……虎のことなにも知らない。

出会う前の虎も。

最初はあんなに嫌悪感しか感じなかったのに……不思議だよね。

虎はなにが好きなんだろ。

タオルで身体を拭いて、サンダルを履いた。

「あ……コテージに貝殻置きに行こ」

虎はみんなと楽しんでるし、いつもは一人行動させてくれないけどコテージくらいいいよね。