私からすべてを奪ったヤクザ。

お母さんもお父さんも……。

「着いたよ」

「はーい……っえ?」

車から降りて固まった。

ま、まさか……。

「叶恋ちゃん?固まっちゃってどしたの」

「こ、ここ……あんたの家とか言わないよね」

「は?俺の家だけど」

言えない……。

私もこのアパートに住んでるなんて、間違っても言えない。

「ほら〜俺の家に行くよ」

「ちょっ、離してよ」

「ダメー」

階段を上がって、連れてかれたのは私の隣の部屋。

神様……どうか嘘だと言ってください。