『本気で落とそうとしてる』

『周りなんか見えない。それくらい……お前に夢中なんだよ俺は』

『俺のこと好きになって』

っ……なんでいま、思い出すの。

「あっ、葉山さんからLINE来た。みんなもう準備出来てるっぽいよ」

「ユイ、葉山さんとはどうするの?」

そう言えば、ピタッと着替える手を止めたユイ。

その顔はどこか戸惑ってて。

「……この海旅行で、決めようと思ってる」

「ユイ……」

「正直初めてなんだよね。居心地がいいと思えるのもあんな風に心から私を好いてくれるのも。だからこそ……汚い私なんかでいいのかなって」

ユイは自分の殺し方を悔いてるのかな。

でも、葉山さんに気が動いてるのは確か。

「3日もあるんだもん」

「そうだよね……ありがとカノ。真剣に考えてみる」

「じゃあ行こっか!」