❆シュウside❆

手を繋いで歩くふたりを少し離れた後ろで見守る俺と組長。

ったく、はよお互い素直になれってなぁー……見てるこっちがじれってぇんだよ。

「今回の海はなにか起こりそうだな」

「組長ー物騒なフラグ立てんのやめてくださいよ」

「あの虎が理性を働かせるんだぞ?もがいてる姿が早く見てぇんだよ」

悪趣味だな……わからなくはないけど。

……でも、最初よりも虎に心を許してんのは見てわかる。

今も言い合いをしつつも、しっかり手ぇ繋いでるし。

「今年は虎もようやく楽しめそうだな」

「……そうっすねぇ。叶恋に感謝だ」

あんな風に穏やかな顔をさせることができるのは叶恋だけ。

つーか。

「他の奴らも葉山もユイも……コテージ行くの早すぎだろ」

「もう少しで俺らもつくだろ」

「へーい……」

正直、葉山とユイも気になる。

ユイって女は叶恋の反応を見る限り明らかに普通の女ではない。