大人しくしていれば、耳元で安心するように息を吐かれて。

「そんなに?たった3日なんだけど」

「俺にとっての3日ナメんなよ?叶恋ちゃん♡」

不思議だけど、虎の匂いが落ち着くようになった。

私の中で、虎に心を許してしまってるのかもしれない。

「あんまり時間ないんだけど」

「え、見た感じ支度終わってる風に見えんだけど。なんかあんの?」

「髪の毛まとめてたの!まぁ、全然まとまらないから困ってるんだけど……」

虎は私を抱きしめながら髪の毛に触れてきた。

「俺縛ってやろうか?」

「え、虎縛れるの?」

ほらほら、と虎にドレッサーの椅子に座らされる。

えぇ……なんか心配なんだけど。

「こう、耳の下でお団子したいの」

「おっけ」

私の髪の毛を持ってブラシでまとめていく虎。

意外……でもそっか、料理できてる時点で手先器用だもんね。

『叶恋の髪の毛はサラサラでお母さんに似てるね〜』

ふいにお母さんのことを思い出した。