シュウさんの言う通り、俺は女に困らないほどだった。

けど今の俺は本当に叶恋しか見えないから……。

「虎さん!!おかえりなさいっす!」

「おーお疲れーい」

広間の奥にある部屋に入って、ソファに腰をかけた。

あー……叶恋ちゃん俺の私服見てちょっと見惚れててくれねぇかなー。

「葉山、ユイって子とはどうだ?ちょっとは進展したか?」

「あーんー……全然相手してもらえませんでしたよー……」

煌星に微動だにしない女ってすげぇ。

でも見てる限り、普通の女じゃないのはわかった。

何歳くらいなんだ……?

叶恋のこと知ってるってことは、たぶん長い付き合いだと思うし。

叶恋のことを知れば知るほど謎は深まるばかりで、いままで女の考えてることとかは簡単にわかってきたのに……全然叶恋のことを理解できてない自分がムカつく。

俺はあの子の安心できる存在になりてぇのに……。

こんなにも苦戦するのは初めてで。

ただ……俺と叶恋は似ていると思った。