❆虎side❆

「ただいま帰りやした〜」

「ただいまっす〜」

煌星と白銀組に帰れば、シュウさんと組長が出迎えてくれた。

「あれ、叶恋はいないのか?」

「シュウさん、虎ユイちゃんに愛しの叶恋ちゃん取られて拗ねてるんっすよ」

うっせーな……。

「ふ、はははっ……!お前も女に弱くなったなぁ」

「組長……めっちゃ馬鹿にするじゃないっすか」

シュウさんなんて肩震わせて笑いこらえてるし。

あの女……。

『カノ〜!久しぶりに家に泊まりに来ない?』

『え!!行きたい!虎、いい?』

……キラキラした瞳で俺を見やがって。

『……い、いいけど』

はぁ……今日は叶恋の好きな桃買おうと思ったのによ、あの女叶恋を俺から奪いやがって……。

「ユイちゃん、可愛かったな〜」

「……お前がそんな感情女に持つとか珍しいよな」

「それな?俺も虎みたくなったよね〜」

まあ、煌星を見てたら本気であの女に落ちてるんだってわかるけど。

俺も煌星も特定の女なんて作らなかったのに。

「あーあ、叶恋いねぇからつまんねー」

「前のお前ならすぐ他の女で時間を潰して相手してたのな。叶恋はすげぇなぁ」