私にも抱えてるものがあるように、虎にも奥底で抱えてるものがある。

またひとつ、新しい虎の顔を知ってしまった。

知れば知るほど、ヤクザっぽくなくて。

ただひとりの男に見えてくる。

って……私バカみたい。

「虎、ユイと葉山さん探しに行こう」

「あー、俺らも迷子みたいなもんだよなーぁ……」

もしかしたら……虎と私はどこか似ているのかもしれない。

私の理想も虎の理想も、現実にはないんだ。