お隣のヤクザに要注意Ⅰ

子供の声に我に返れば、小さい男の子が一人で泣いていた。

あ、あれ……私、いつの間に移動してたんだろ。

「ぼく、どうしたの?大丈夫?」

目の前にいる男の子を放っておけなくて声をかければ、目があった。

「ちっせぇな〜。小学1年くらいか?」

「虎!」

って、なんでいるの?

「叶恋ちゃんどっか行っちゃうんだからついてきたの!ほんと危ねーなお前」

「お姉ちゃんとお兄ちゃん、コイビト?」

なにを言ってるんだこの子は。

「違うよ〜お姉ちゃんのお友達。それよりぼく、こんなところに一人でどうしたの?迷子?」

男の子は今にも泣きそうな顔でこくん、と頷くとぎゅっと私の袖を掴んできた。

う……っか、かわいい……。

「ママとパパ、はぐれちゃって……探してたんだけど、ここがどこかわからなくなっちゃた……。」

これだけ混んでるんだもん、この子一人で探し出すのは大変だよね。

「ぼく、大丈夫だよ!!お姉ちゃんが一緒にママとパパ見つけてあげる」