「ねーお腹すいた」

「ああ、なに食べたい?」

「虎のご飯」

あの日……初めて食べた虎のご飯は美味しかった。

虎を見れば、嬉しそうにはにかんでて。

「お前俺に懐いてんの可愛いね」

「は?懐いてないし」

「はいはい。じゃースーパー行くかぁ」

自分で料理はするけど、虎が作るご飯はお母さんの味に似てるから。

だから……だもん。

こうやって虎に甘えてる時点で、私は虎から見ても世間一般目線でもきっと……まだまだガキなんだろうな。