「うるっせぇな……俺に触れていいのは許された女だけだ」

腕を振りほどいて、そう言い放った虎。

静流さんから聞いた話だと、女遊びしまくってたみたいなのに。

なんて思ってれば虎と目が合って、女の群れから出てきて近寄ってきた。

「叶恋、お疲れさん」

「わっ」

頬にペットボトルをあてられて、見れば私の好きなジュースだった。

「あー、伊達くんだっけ?」

「なんだよ」

「悪いけど叶恋の送り迎えは俺がするからお前の出番はねぇぞ。なんせ……家が隣なんだから」

「は?」

また要らないことを……。

「伊達くん、じゃあまたね。気をつけて帰って」

「あっ……」